本来、痛みは体の防御する反応として大切なものです。痛みがないと人は、人の機能そのものを壊してしまいます。

痛みを感じたら、まずその原因を特定することが必要です。自己判断は禁物。まったく違った要因が痛みを発している場合があります。

長期間放置すると、最悪の結果を招くことにもなりかねません。専門医を訪ねてしっかり診断してもらいましょう。

痛みの中でも過剰な反応をしてしまう痛みもあります。

帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、三叉神経痛、神経根圧迫による慢性疼痛、帯状疱疹、慢性腰痛、頸肩腕症候群、手根管症候群、がん性疼痛などでみられ、わずかな刺激に対して過剰なほどの痛みとなってあらわれてしまう症状です。

これは「神経障害性疼痛」といわれる病気で、末梢神経や中枢神経が障害損傷してしまうことが原因で、「痛み=身体の防御反応」という本来の機能は失われしまっている状態です。

これまでは鎮痛薬のきかない難治性の疼痛といわれてきましたが、近年になって痛みの原因となる物質(ミクログリア)がわかってきたようです。

一方、痛みに見合うだけの病変が見いだされない痛みとして、「心因性疼痛」があります。心因性の痛みは単純な心の問題ではなく、中枢神経系に生じた変化や心理学的な歪みが生じた「神経系の異常」ということのようです。

いずれにしても痛みはつらいもの。毎日続くと体力的にも精神的にもかなりまいってしまい、生活の質(QOL)もぐっと低下してしまいます。また、痛みがストレスとなり、さらに痛みを招く原因にもなります。

痛みでお悩みの方、一度、痛みの専門医がいる「ペインクリニック」で相談してみてはいかがでしょうか。生活の質(QOL)を向上させるための、いろいろなアドバイスがもらえます。